こんにちは!ますだ歯科クリニックです。
家族に「歯ぎしりがうるさい!」と言われたり
朝起きると「歯が痛かったり、顎の筋肉が
重たかったりする。」
このような経験をお持ちの方は
いらっしゃいませんか?
それは、夜中の
歯ぎしり・食いしばり(ブラキシズム)が
原因かもしれません。
また、睡眠時だけでなく日中の
歯列接触癖(TCH)が原因でお口や
身体の健康に影響を及ぼしていることが
あります。
TCHとは、「Tooth Contacting Habit」
(歯列接触癖)の略で、上下の歯を持続的に
接触させる癖のことを言います。
今回は「歯ぎしり・食いしばり
(ブラキシズム)」についてお話します。
ブラキシズムとは?
無意識のうちに行っている
歯ぎしり・食いしばりなどの総称です。
ブラキシズムの種類
以下の3つに分けられます。
【グラインディング(歯ぎしり)】
一般的に言われる歯ぎしりと言うと
このタイプを指し、睡眠時に起こることが
多く、無意識のうちに上下の歯をすり合わせ、
ギリギリと音が聞こえるのでパートナーや
家族から、言われて気付くことが
多いと思います。
歯のすり減りが起こりやすいことが特徴です。
【クレンチング(食いしばり)】
上下の歯を強く食いしばり、噛みしめとも
言われる怖い動作です。
睡眠中や起きている時でも起こりますが
無意識に行っていることが多く、
グラインディングのように
横にこすり合わせないので音もせず、他人に
指摘を受けることも無いので気付きにくいことが
多いです。
【タッピング】
上下の歯を連続的に速く噛み合わせ、カチカチと
鳴らすような音を出すタイプの歯ぎしりです。
歯ぎしりのタイプとしては、比較的珍しく
歯や顎へのダメージもグラインディングや
クレンチングに比べれば、それほど大きくは
ありません。
睡眠中や起きている時でも起こりますが
カチカチと音がするので自覚しやすいと
言えます。
原因は??
睡眠時の歯ぎしりは、子供にも多いのですが
子供の歯ぎしりは、顎や生える歯の位置を
決めるためのもので特に心配はいりません。
ただし、成人の場合は、ストレス・遺伝・
特定の薬の副作用・飲酒・喫煙・特定の病気など
様々な因子が関連して起こると言われています。
ブラキシズムによって起こる問題
《歯への影響》
●歯がすり減る、折れる
●歯がしみる(知覚過敏)
●歯が痛む
《歯周組織への影響》
●歯周病が悪化する
●歯がグラグラする
《顎関節への影響》
●口を開くと顎が痛くなる(顎関節症)
《全身への影響》
●頭痛・肩こり・腰痛
など沢山の問題が起こります。
また「一緒に寝ている人の不眠」による
ストレスによって関係悪化!?に
つながることも……
日頃から、どんなに歯磨きなどでケアしていても
歯ぎしり・食いしばり(ブラキシズム)があると
それだけで歯を失う原因になってしまいます。
上記だけのお話を聞くと、一見、歯ぎしりは
全て悪いように聞こえますが、実は
悪い事ばかりではないのです。
また、歯ぎしりには、歯に被害を与えにくい
「良い歯ぎしり」と歯にとても被害を
与えてしまう「悪い歯ぎしり」がある事は
ご存知でしょうか?
睡眠中の歯ぎしりはストレス発散!?
ほとんどの人は、多かれ少なかれ夜間に
歯ぎしりをしていると言われております。
この歯ぎしりという行為は、決して悪い事
ばかりではなく、私達が忙しい社会生活を
行ううえで欠かすことのできない、
とても大切な働きをしていることが
わかってきています。
噛むことによって、脳の高ぶりが落ち着き
リラックスする効果が認められており、
「歯ぎしり」をすることで睡眠中にストレスを
発散させ、病気にならないように私達を
守ってくれているのです。
良い歯ぎしりと悪い歯ぎしりの違いは!?
噛み合わせにあります。良い噛み合わせで、
上の歯と下の歯がうまく噛み合っている方は
歯ぎしりをしようとすると長く尖った上下の
犬歯が歯ぎしりの力を受けとめてくれます。
長くて丈夫な歯をもつ、犬歯が引き受けて
くれれば、他の歯には、ほとんど負担がかからず
すみます。
それに対して、犬歯がガチっと噛み合わない
奥歯ばかりで歯ぎしりするようなお口の場合、
犬歯の支えがないので、奥歯に強い力が
直接かかります。
—いろいろな悪い歯ぎしり—
【前歯型】
前歯でキリキリ。前歯が受ける負担が大きく、
削れたり、前にせり出しやすいです。
【奥歯型】
奥歯でギリギリ。非常に強い力がかかるので
奥歯が削れたり、歯が折れてしまうことも
あります。
【側方型】
片方でキリキリ。片方の詰め物や被せ物ばかりが
取れたり、壊れたりしやすいです。
【全体型】
全体でギリギリ。上下の犬歯がぶつからず、
下顎の動きにストップがかからないために被害が
広範囲に!
セルフチェックをしてみよう!!
歯ぎしり・食いしばり(ブラキシズム)の
簡単なセルフチェックです!
▢起床時に口の周囲がこわばる。顎が疲れる、
だるい。
▢集中している時や緊張、ストレスを感じる時に
無意識に噛みしめていることが多い。
▢歯にヒビが入っている。すれて欠けたような
歯がある。
▢頬の内側の粘膜に噛み跡や舌に歯型が
ついている。
▢肩こりや頭痛の症状を強く感じる。
▢歯の根元が削れている。欠けている。
▢冷たいものを口に入れるとしみる。
▢詰め物がよく取れる。
▢上顎の真ん中あたりや下顎の歯の内側の
骨が出っ張っている。
TCHの方は、まずは、「自覚」することから始めましょう!
お口の中は、基本何もしていないときは
上下の歯は、接触していません。
くちびるを上下閉じていても上下の歯は
触れていません。
無意識で行われる癖をなおすのは、
そう簡単にできることではありません。
上下の歯を接触しないように気を付けると
言っても、そもそもご自身がその癖を
行っていることに気付いていないことが
ほとんどです。
癖をなおすには、まずは、ご自身が
TCH(歯列接触癖)をしていることを自覚して
理解してもらう必要があります。
歯ぎしり・食いしばり(ブラキシズム)は、
誰もが無意識に行っている可能性があり、
絶対悪いというものではありませんが
歯や顎、歯茎のダメージを減らし、
守っていくためには、ご自身にそういった癖が
あるかどうかを知っておく必要があります。
歯ぎしり・食いしばり(ブラキシズム)
セルフチェックで項目が1つでも
当てはまる場合は、
歯ぎしり・食いしばり(ブラキシズム)の
可能性があります。
歯を守るために就寝時に歯ぎしり対策用の
「ナイトガード」と言うマウスピースを
装着して、歯と歯の周りの組織を保護する
方法もありますので
お気軽にご相談ください!