こんにちは!ますだ歯科クリニックです。
歯並びが悪くなる原因は、いろいろと
考えられますが歯並びというのは、実は
歯のみで決まるのではなく、舌やくちびるの
力にも影響されるのはご存知でしょうか?
今回は、「歯並びとお口の癖」について
お話していきます。
歯並びに舌とくちびるが影響?!
歯はキレイな馬蹄形(ばていけい)に生えるのが
当たり前だと思われがちですが、この馬蹄形は
歯と接しているくちびるや舌の筋肉から
加わる力の支え合いによって生まれています。
なぜなら歯は、力を与えられるとその方向に
ジワジワと動いていくからです。
言いかえれば、歯は舌の力とくちびるの力の
バランスが釣り合うところへと動き、
並んでいます。
お口の癖ありませんか?
歯の生えかわり時期のお子さんの場合、
顎の大きさが小さいため、歯が正常に
生えるスペースが十分に取れず、歯が
重なり合って生えてしまう場合もありますが
お子さんの普段のお口の様子をみて
このような癖はありませんか?
・乳歯が抜けた部分など、気になるところを
常に舌で触っている。
・飲み込むとき舌で歯を押している。
・くちびるを噛む癖がある。
・お口をいつもポカンと開けている。
このようなお口の癖が歯にかかる舌やくちびるの
力のバランスを崩しているとその影響で歯は
前へ動き、噛み合わせも崩れていって
しまいます。
舌の位置が歯並びに影響!
歯に加わる力のバランス、ひいては歯並びを
乱す原因となりやすいのが「舌」です。
皆さんの舌の先はお口の中のどこに
触れていますか?
実は舌には、収まるべき正しい位置があります。
リラックス時に舌が上顎の天井につきつつ
舌先は前歯に触れないか、触れたとしてもほんの
軽く触れるくらいの位置が理想でこのとき
上下の歯も離れているのがよいとされています。
それに対して、舌が上顎につかず
低い位置にあり、歯にもたれかかっていると
常に歯に力が加わってしまいます。
《よくない舌の位置が及ぼす影響》
—歯並びへの影響—
●出っ歯(上顎前突)●
上顎の前歯が下顎の前歯よりも過剰に前方に
突出している状態の噛み合わせのことを
いいます。
【原因】
舌が低い位置にあると上顎が下方向に成長して
下顎が後退します。
その他、遺伝的な要因や下くちびるを噛む癖や
指しゃぶりなどが原因となります。
●受け口(下顎前突)●
下顎の前歯が上顎の前歯よりも前に突き出ていて
受け口のようになっている状態の
噛み合わせのことをいいます。
【原因】
舌で前歯を押す癖がついてしまっているなど
その他、遺伝的な要因や口呼吸などが原因と
なります。
●開咬●
奥歯を噛み合わせても、前歯が噛み合っておらず
前歯が開いてしまう状態です。
くちびるが閉じにくく、見た目が
よくないだけでなく奥歯に噛む力が集中するため
奥歯への負担が大きくなります。
【原因】
舌を持ち上げる筋肉が弱かったり、舌を歯に
当てる癖がついてしまっているなど
その他、遺伝的な要因や指しゃぶり、
口呼吸などが原因になります。
—矯正治療への影響—
舌からかかる力のために矯正装置を入れても
想定したほど歯が動かなかったり、治療が済んで
矯正装置を外した後に後戻りを
起こしてしまうこともあります。
舌やくちびるの癖があると歯を並べる力の
バランスが崩れるだけでなく、顎やお口全体の
発育にも影響してしまいます。
次回は、そのようなお口の癖を改善するための
「お口のトレーニング」についてお話します。