こんにちは!ますだ歯科クリニックです。
前回、舌の癖や下の位置が歯並びに
影響してしまうとお話しましたが
今回は、舌をはじめとしたお口まわりの筋肉の
バランスを改善するお口のトレーニングの
お話をしていきます。
お口のトレーニング
矯正治療の一環として行われている舌の癖を
治したり、舌の位置を改善するための
お口のトレーニング法をいくつかご紹介します。
1、スポットポジション
リラックスしているときや飲み込むときの
舌の先の正しい位置を覚えるトレーニングです。
「スポット」の位置は、上顎の前歯裏側より
少し後ろの粘膜が膨らんだところ、上の前歯の
裏側の付根から5~10mmくらい後方と
覚えて下さい。
①鏡を見ながらスティック(割りばしの
割っていないものでOK)を上顎の
「スポット」に当て、ゆっくりと3秒
数えましょう。
②次にスティックを離し、同じ場所を舌の先で
触り、ゆっくりと3秒数えます。
このとき、舌を丸めないで舌の両サイド脇を
締めて舌先を尖らせます。
※5回繰り返します。
2、スポットアンドスポット
(舌を振ってスポット)
普段何もしていないときや飲み込むときに
舌の先が触れる位置を「スポット」と
呼びます。
舌の動きを良くして、舌が無意識でも
スポットに行くことができるようになるための
トレーニングです。
①鏡を見ながら口の外で舌を尖らせて左右に
振ります。
慣れてきたら素早く左右に振ります。
②合図に合わせて舌の先でスポットを
触ります。
慣れてきたら舌を細くして左右に振り、合図が
鳴ったら素早く舌先をスポットに
付けましょう。(誰かに頼んで突然
「スポット!」と合図を言ってもらえると
やりやすいです。)
※5回繰り返します。
3、ポッピング
舌を上に持ち上げる力を鍛える
トレーニングです。
①舌全体を上顎に吸い付け、口を大きく開けて
舌の裏のスジ(舌小帯)をのばします。
このとき、「舌の先がスポットにあること」
「舌の前の方だけでなく、後ろの方まで舌の
表面全体を上顎の裏側に吸い付いていること」
「舌の奥の方の両サイドが上の奥歯を覆わず
上の歯列の内側に収まること」「片方が
下がったりせず、左右対象に上に
吸い付けること」が必要です。
また、口を開けるときは下顎を前に出したり
横にズレさせたりせずにまっすぐ開けます。
②次に上顎に張り付けた舌を下におろして
勢いよく「ポン」と音を鳴らします。
舌の表面全体がしっかり張り付いていないと
音が軽かったり小さかったりで
大きくキレイな音が鳴りません。
慌てずにゆっくり数えて「1・2・3・ポン」
くらいのスピードで行いましょう。
(注意:速すぎるとよいトレーニングに
なりません。)
音がしっかりと鳴らない方は、どんな音でも
よいので「ポン」と音を出すことから
始めましょう。
舌全体が上顎に吸い付くように意識して
少しずつ舌にあるスジ(舌小帯)を
のばすようにします。
※10回繰り返します。
4、バイト
噛む力を強くするトレーニングです。
①両手をエラに置いて、ギュッと強く歯を
噛みます。
筋肉が緊張し、固くなるのを
感じます(咬筋)。
②次に両手をコメカミに置いてギュッと強く
歯を噛みます(側頭筋前腹)。
③最後は、両手を耳の上に置いてギュッと強く
歯を噛みます(側頭筋後腹)。
このトレーニングはゆっくり数えて
行いましょう。
筋肉を感じますか?
左右が同じくらいに触れますか?
筋肉がよく触れない人は、食事もほとんど
前歯で噛んでいるかもしれません。
奥で噛むように心がけましょう。
左右の強さの違う人は、弱い側の奥歯でガムを
噛んで鍛えてみましょう。
※5回繰り返します。
5、あいうべ体操
舌の筋肉(舌筋:ぜっきん)をはじめ口元の
筋肉が鍛えられる体操です。
口呼吸の改善によってさまざまな効果が
得られるほか、顔のたるみ・しわの改善による
美容効果・脳の血流をアップさせる効果など
多くの効果が得られます。
【あいうべ体操のやり方】
「あ~」「い~」「う~」「べ~」とお口を
動かすだけの簡単な体操です。
声を出しても出さなくてもどちらでも
かまいません。
大きくお口を動かし、ゆっくりと行うのが
ポイントです。
①
「あ~」とお口を大きく開け、1秒キープ。
②
「い~」と横にお口を広げ、1秒キープ。
③
「う~」とくちびるをとがらせ、1秒キープ。
④
「べ~」と顎先に向かって伸ばすように舌を
出し、1秒キープ。
「あ~」「い~」「う~」「べ~」とそれぞれ
1秒キープして行ない、これを10回
繰り返します。10回を1セットとし、1日に
3セット行うと効果的です。
行うタイミングは、入浴中や就寝前など
お家時間のある時がおすすめです。
皆さんお口のトレーニングをはじめてみては
どうでしょうか?
誰もが簡単に取り組むことができる
トレーニングです。
普段あまりしないお口の動かし方をするので
最初は大変かもしれませんが、
毎日継続するうちに効果が現れてきますので
「お口ぽかんではない!」などと
思っている方も筋力アップ・健康増進のために
ぜひ、実践してみて下さいね。