小倉北区の歯医者「ますだ歯科クリニック」

歯周病と全身疾患について

こんにちは!ますだ歯科クリニックです。
前回、歯周病のお話をしましたが、もう一度、
はじめに「歯周病について」お話します。


歯周病とは?
細菌の感染によって、引き起こされる
炎症性疾患で歯の周りの歯茎(歯肉)や
歯を支える骨(歯槽骨)などが
溶けてしまう病気です。
歯周病は、歯肉炎・歯周炎の総称です。


今、お伝えしたようにそれだけでも
十分、怖い病気なのですが
歯周病でもっと怖い事は、
全身に影響が及ぶ可能性があるということです。
今回は、「歯周病と全身疾患について」
お話していこうと思います。


なぜ歯周病が全身疾患に関係するのか?
歯周病は、細菌感染によるものです。
歯茎(歯肉)から血管内に細菌が
侵入し、血流にのって全身へと
入り込んでいきます。
なので様々な病気を引き起こしたり、
悪化させる原因となります。
それでは、歯周病から誘発される
5つの病気についてお話します。


①糖尿病
血糖値の高い状態が続くと
体の中のタンパク質が糖とくっつきます。
それを白血球が敵と間違えて
攻撃するので全身に炎症が起きやすくなります。
糖尿病によって弱っている体は、
歯周病菌に抵抗する力も弱くなっているので
歯周病にかかりやすく、治りにくく、
重症になりやすくなります。
治療が終わった後も、再発しやすいので
注意が必要です。


②動脈硬化
動脈硬化とは、動脈の内側で血液中の
脂肪や白血球などが粥状にくっついて留まり、
血管が硬く狭くなることです。
留まったものが壊れると血栓をつくり、
完全に血管を塞いでしまうことがあります。
冠動脈で起これば心臓発作、
脳で起これば脳卒中などになります。
血液中の炎症性物質の数値が高いと
動脈硬化が起こりやすくなります。
歯周病の方は、全身が軽い炎症状態に
あるため、炎症性物質の数値が少し高くなり、
動脈硬化が起こりやすくなると
考えられています。


③誤嚥性肺炎
誤嚥性肺炎とは、食べ物や異物を誤って
気管や肺に飲み込んでしまうことで
発症する肺炎です。
誤嚥性肺炎を起こす主な原因として
食事中に細菌を含んだ唾液を
飲み込んでしまう場合があります。
肺や気管は、咳をすることで異物が
入らないように守ることができます。
しかし、高齢になるとこれらの機能が
衰えるため、食べ物などと一緒に
お口の中の細菌を飲み込み、その際、
むせたりすると細菌が気管から
肺の中へ入ることがあります。
その結果、免疫力の衰えた高齢の方は、
誤嚥性肺炎を発症してしまいます。


④骨粗鬆症
全身の骨強度が低下し、骨が
もろくなって骨折しやすくなる病気です。
骨粗鬆症にかかっている人は、
歯周病にかかりやすく、
重症化しやすい傾向にあります。
女性が圧倒的に多く、骨粗鬆症の中でも
閉経後骨粗鬆症は、閉経による卵巣機能の
低下により、骨代謝にかかわるホルモンの
エストロゲン分泌の低下により発症します。
女性モルモンの一種である
エストロゲンには、骨の吸収を
抑える働きがあるため、閉経に伴って
女性ホルモンの分泌が大幅に減少すると
骨密度も急激に低下してしまうのです。
男性も年齢とともに骨密度が低下しますが、
女性のような急激な変化は、みられません。
エストロゲンの減少は、
歯周ポケットの中の免疫反応や炎症を
起こす成分を過剰にし、歯茎(歯肉)の
炎症を悪化させることも
分かってきています。


⑤早産や低体重児出産
歯周病の炎症があると、
子宮を収縮させる作用がある
物質(PGE2【プロスタグランジンE2】、
炎症性サイトカイン)の血中濃度が
高まります。
特にPGE2【プロスタグランジンE2】は、
陣痛促進剤として使われるほど
子宮収縮作用が強いため、歯周病が
重症化すると早産や低体重出産の
可能性が高くなります。
また歯周病は、喫煙やストレス、
歯の噛み合わせ、歯ぎしりなどでも
進行を早めてしまいます。
口呼吸をする人は、お口の中が
乾燥するため、感染を起こしやすくなるので
注意が必要です。
このような生活習慣や歯の噛み合わせ、
歯ぎしりを正していく事も、
病気の予防に役立つことになります。
歯周病は、予防・治療できる病気です!
お口の中の異常を少しでも
感じた時には、放置せず、歯科での
受診をおすすめいたします。

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