メディカルノート
効果的な歯磨き①
こんにちは!ますだ歯科クリニックです。
毎日歯磨きしているのになぜか虫歯が
できてしまったり、磨いてるつもりなのに
歯茎が腫れてきたり...
歯磨きの仕方って「本当のところどれが
正解なのだろう?」これまで続けてきた
歯磨きに自信がないと思う方も
いらっしゃるかと思います。
今回は、そういう方のために
「効果的な歯みがき」について
お話していきます。
歯磨きの目的は?
歯磨きの目的は「悪さをする細菌を
減らすこと!」です。
皆さんを悩ませる歯科の病気の代表格といえば
虫歯と歯周病ですが虫歯菌と歯周病菌は
それぞれ性質が違い、くっつく場所も
しつこさも違います。
【バイオフィルム】
細菌がつくる多糖体の丈夫な膜(菌膜)で
排水管のヌメヌメの仲間です。
歯にベタベタくっつきます。
殺菌剤がしみこみにくいので
バイオフィルムの中は、虫歯菌をはじめとする
細菌達の楽園となっています。
熟成して強固にくっつくには
3~4日かかりますので歯ブラシでこすり
1日1回は取り除いておくことが大切です。
【虫歯菌】
歯面にくっついたバイオフィルムの丈夫な膜を
棲家とし、中に立てこもってヌクヌクと
繁殖します。
砂糖が大好きで盛んに食べてはどんどん酸を
排泄するため、バイオフィルムの中は酸で
いっぱいになります。
この酸が歯を溶かして「虫歯菌」ができます。
【プラーク】
ゆるやかにつながった細菌集団で
バイオフィルムほどのしつこさは
まだありませんが歯と歯茎の間にできた
歯周ポケットなどにたまりやすいです。
軽石状で穴ぼこだらけの歯石に入り込むと
歯ブラシでは除去できず、歯周病菌が炎症を
引き起こす原因になります。
歯科医院で歯石ごと除去してもらいましょう!
【歯周病菌】
歯の健康に大きな被害をもたらすのが
歯周ポケットの中に潜む歯周病菌です。
歯周病菌の出す毒素が歯茎や歯、支える骨に
炎症を起こし「歯周病」を引き起こします。
一晩で約1000倍に増殖するので日々の
除去は必須です!
空気が苦手で奥へ奥へと隠れたがるため
除去はなかなか大変です。
歯磨き効果を上げるには?
歯磨きの目的は、はじめにいったように
歯や歯茎の周りの細菌を減らすことです。
虫歯菌と歯周病菌では、効率的に細菌を
除去できる歯ブラシの選び方、当て方、
動かし方が違います。
お子さんは、虫歯予防が中心なので
デッキブラシタイプの歯ブラシと歯間は
フロスを使いましょう。
虫歯、歯周病の両方が気になる大人の方は
デッキブラシタイプ、細かく長くやわらかい
テーパード毛タイプの2種類を用意し、毛先が
届かないところはフロスか歯間ブラシを
使いましょう。
—虫歯予防なら?—
歯面にしつこくくっつくバイオフィルムの
除去には、毛先がフラットな
デッキブラシタイプの歯ブラシがおすすめです。
バイオフィルムを取り除くにはこすり取るのが
1番です。
デッキブラシタイプなら歯の表面を
効率よくこすれます。
—歯周病予防なら?—
歯と歯茎の境目の溝、歯周ポケットの
プラークの除去には、細く長くやわらかな
テーパード毛タイプの歯ブラシがおすすめです。
45度の角度で溝の中に差し込んで
やさしく動かしプラークを除去します。
※歯ブラシの届かないところには、フロスや
歯間ブラシを使いましょう。
—歯石除去—
硬い歯石は、どんなに頑張って磨いても
自分では取り除けません。
放っておくと歯周病が進行してしまうので
歯科医院で取り除いてもらいましょう。
今回は、歯磨きのターゲットの細菌達の性質や
隠れている場所、どこに何をすると
歯磨き効果が上がるのかをお話しましたが
次回は、歯ブラシの動かし方をお話して
いこうかと思います。
虫歯予防、歯周病予防のそれぞれに効果的な
磨き方を身につけてお口の健康を
守りましょう!