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メディカルノート

歯周病と全身疾患の関係性①

こんにちは!ますだ歯科クリニックです。
現在日本では成人の8割が歯周病に罹患しているという
データも出ており、まさに国民病ともいえる状況に
なっています。
最近では、全身疾患との関わりが注目を集めています。
現在、106種類もの病気との関わりが
報告されており、最近では認知症との関連も
指摘されるなど年々報告が増えています。
前に一度、歯周病と全身疾患についてお話したことが
ありましたが歯周病は単に歯茎が腫れたり
出血するだけの病気ではなく、とても怖い病気なので
再確認のためにも今一度、歯周病と全身疾患の
関係性についてお話していこうと思います。
歯周病とは?
細菌のかたまりである歯垢(プラーク)が歯と歯茎の
境目にたまることによって発症します。
この歯垢(プラーク)に潜む歯周病菌の出す毒素が
歯の周りの組織に炎症を起こして、歯を
支える骨(歯槽骨)を壊してしまいます。
進行すると歯が抜けてしまうことも少なくはなく
「歯を失う原因の第一位」となっています。
ちなみに第二位は虫歯です。
歯周病の初期では、自覚症状がほとんどなく
気付いていない方が多いのが特徴です。

歯周病の原因は?
お口の中には、約300~500種類の細菌が
存在していてこの細菌は、普段からしっかりお口の
お手入れをしていれば悪さをしませんが
歯磨きをさぼったり、甘いものなどをダラダラ食べを
してしまうことで細菌達がネバネバした汚れにかわり
歯の表面にくっついてきます。
これを歯垢(プラーク)といい、粘着性が
強い汚れなのでうがいなどでは簡単にとれません。
この歯垢(プラーク)の中には、沢山の細菌が
存在し、虫歯や歯周病を引き起こします。
歯垢(プラーク)を除去せず、そのままにすると
硬くなり、歯石にかわります。
歯石になってしまうとブラッシングでも取り除くことが
できなくなり、さらに細菌を取り込み、歯周病を
進行させてしまいます。
他にも
・歯ぎしり、食いしばり
・不適合な被せ物
・不規則な食習慣
・喫煙
・ストレス
・薬の長期服用
などの進行要因もあります。

歯周病と全身疾患
炎症によって出てくる毒性物質が歯肉の血管から
全身に入り、様々な病気を引き起こしたり、悪化を
させる原因となります。
歯周病と全身の健康との関わりは、長年国内外で
研究されてきました。
現在、特に関連性が高いと考えられている病気は
動脈硬化とそれにともなう脳梗塞・心筋梗塞
脳の血管が詰まって起こる脳梗塞。
心臓の血管が詰まって起こる心筋梗塞。
まずは、歯周病とは関係なく血管が詰まる仕組みを
お話します。
血管が詰まる主な要因である動脈硬化は、一般には
血管の内壁にコレステロールが蓄積して脂肪分が
沈着することで起こります。
血管内壁にお粥やヨーグルトのような
かたまり(粥腫、アテロームプラーク)ができます。
このかたまりは、厚くなると血管を塞ぐだけでなく
破れることがあります。
そうなると血流に乗って心臓や脳の血管に達して
血栓となり、脳梗塞や心筋梗塞を引き起こします。
これと似たようなことが進行した歯周病でも
起こり得ると考えられています。
炎症を起こした歯茎から入り込んだ多数の歯周病菌が
血流に乗ってからだをめぐります。
歯周病菌は、血管の内壁に入り込んで堆積します。
すると「細菌が集まっている!大変だ!」と
マクロファージなどの白血球がやってきて歯周病菌を
食べます。
食べた後は、死骸となってその場に残り、それが
粥腫のようになって、動脈硬化を起こして血液の流れを
阻害します。
さらには破れて血流により運ばれ血栓となるというのが
現在考えられていることです。
実際、動脈硬化を起こした血管の粥腫から歯周病菌の
遺伝子が検出され因果関係が注目されています。

糖尿病
糖尿病は、膵臓から分泌されるインスリンの働きが
悪くなり、血糖の濃度(血糖値)が慢性的に
高いままになってしまう病気です。
インスリンは骨格筋、脂肪細胞、肝細胞への糖の
取り込みを促し、血糖を下げる働きをするほぼ唯一の
ホルモンです。
糖が細胞に取り込まれず、血糖値の高い状態が何年も
続くと血管が弱って、心臓病や失明、足の切断など
深刻な合併症につながりかねません。
※糖尿病だと歯周病が重症化しやすいため、歯周病も
糖尿病の合併症といえます。
インスリンの働きが悪くなる理由は
①膵臓の機能が低下し、十分な量のインスリンが
分泌されなくなる。
②インスリンは十分な量が分泌されているが
インスリンの糖の取り込みを促す力が弱くなる。
の2つです。
歯周病の場合、歯周病菌の出す毒素により
歯周ポケットの中で炎症が起きていて、炎症部位には
からだの反応により炎症性物質が集まります。
進行した歯周病だと、それが歯茎から体内に
持続的に供給されるせいで、糖をからだの細胞に
取り込むインスリンの働きが弱められ、このため
血糖値が高いままになり、糖尿病が進行しやすくなると
考えられています。
糖尿病が悪化するとさらに歯周病が悪化します。
糖尿病については、歯周病が悪化の一因に
なるだけでなく、歯周病が改善すると糖尿病が
改善することもわかっています。
治療により歯茎の炎症が治まると、炎症性物質も
生じなくなります。
するとインスリンへの影響もなくなり、インスリンが
働いて血糖を下げられるようになる結果、糖尿病も
改善するというわけです。
まだ他にも歯周病と関連性が高いと
考えられているものがありますので次回も引き続き
お話していこうと思います。
歯科医院で定期的にお口の中をチェックして
もらうことで歯周病はもちろん虫歯の予防にも
なります。
ご自身のからだの健康を守るためにもぜひ一度
歯科医院で定期検診を受けていただくことを
おすすめします。
気になることがありましたらお気軽にスタッフに
ご相談下さい。
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