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メディカルノート

歯周病と全身疾患の関係性②


こんにちは!ますだ歯科クリニックです。
今回も引き続き、歯周病と全身疾患の関係性について
お話していきます。
歯周病と全身疾患

前回、動脈硬化とそれにともなう脳梗塞・心筋梗塞と
糖尿病についてお話しましたがその他にも関連性が
高いと考えられているものがありますので
いくつかお話します。

誤嚥性肺炎
高齢者の肺炎の大部分は、誤嚥性肺炎と
報告されています。
誤嚥性肺炎は、本来は「口→食道→胃」と入るはずの
食物や唾液が誤って「口→気管→肺」に
入ってしまうことが原因です。
食物や唾液に含まれていた細菌やウイルスが肺胞で
増殖して肺炎を起こします。
誤って入ってしまう(誤嚥)のは、舌やお口、のどの
筋肉が衰えて、飲み込む力(嚥下)が
弱っているためです。
食事のときに頻繁にむせるというのは、飲み込む力が
弱っている兆候ですので気をつけましょう。
お口の中の細菌の量が多いほど、誤って肺に
入り込んだときに誤嚥性肺炎になりやすくなります。
歯周病は、炎症を起こしている歯茎の中で歯周病菌が
増殖している状態なので歯周病を放置していると
いうのは、たくさん細菌を飼っているのと
同じことになります。
お口の衛生状態は感染症に直結します。
歯周病になってしまったら早めに治療し、歯磨きで
しっかりとお口の中の細菌の量を減らすことが
誤嚥性肺炎の予防には大切です。

早産・低体重児出産
タバコやアルコール、膣炎ほか産科器官の感染症、
高齢出産などが早産・低体重児出産に関わることは
知られていますが、歯周病も一因になると
考えられています。
※早産とは、妊娠37週未満での出産。
低体重児出産とは、出生児の体重が2500g未満の
出産のことをいいます。

今、考えられているケースのうち2つを紹介します。
歯周病が起こす炎症が悪さをする。
通常のお産の場合、母体の変化や胎児の成長によって
妊婦さんの体内ではさまざまな炎症性物質や
ホルモン、タンパク質分解酵素の濃度が上昇し
出産が促されます。
対して、進行した歯周病の場合、炎症性物質が
歯茎から体内に入り込むようになります。
炎症性物質の増加はタンパク質分解酵素の分泌を
促進し、子宮の収縮を引き起こします。
子宮の筋肉が収縮する結果、赤ちゃんが押し出されて
予定より早く産まれてしまうのです。
歯周病菌が子宮内部の器官に感染する。
羊水や羊膜などへの細菌感染は、早産や胎児の
発育不全のリスクとなります。
羊水は本来、無菌的な環境ですが早産の妊婦さんの
羊水や臍帯(へその緒)から歯周病菌が
検出されたという報告もあります。
妊婦さんはホルモンバランスの変化やつわりで
歯磨きがしづらくなることなどから歯周病になりやすく
悪化しやすい傾向があります。

骨粗鬆症
骨粗鬆症とは、骨の強度が低下して脆くなり
骨折しやすくなる病気です。
骨粗鬆症は主に閉経後の女性に発症しやすい病気です。
原因としてはエストロゲンというホルモンが
閉経によって減少してしまうことにあります。
なぜエストロゲンが関係するのかというと
エストロゲンは、骨代謝に大きく関わり分泌が
少なくなると全身の骨が脆くなるとともに歯を
支える歯槽骨も脆くなります。
歯周組織の炎症が進むと歯槽骨が溶けて歯が
ぐらつくようになりますが骨粗鬆症の人では
歯槽骨が脆くなっているため、その進行が加速され
歯を失うリスクも高まります。
そのため、歯周病を治療することで骨粗鬆症の
進行も抑えられる可能性があります。
肥満
歯周病と肥満は相互に関連しているといわれていて
歯周病は肥満を引き起こし、肥満が歯周病を
悪化させることが様々な研究で明らかに
なってきています。
特に病気のない20~59歳成人では、BMIが
高いほど歯周病にかかっている割合も高いことが
調査で判明しています。
BMIが20未満(やせ、正常)の人が歯周病に
かかるリスクを「1」とすると、BMIが
20~25未満(普通)の人では「1.7倍」、
25~30未満(肥満度1)の人では「3.4倍」にも
リスクが高まります。
また体脂肪率が高い人(25%以上)、ウエストと
ヒップの比率が高い人は、歯周ポケットの深さが
健康な人よりも割合が高くなっていたそうです。
脳梗塞・心筋梗塞、糖尿病、誤嚥性肺炎、
早産・低体重児出産、骨粗鬆症、肥満を
ピックアップしてお話しました。
しかし歯周病との関連が疑われている病気は
まだまだあります。
からだの入口はお口です。
健康に保つことでいいことはたくさんあります。
正しい口腔ケアを続けていれば、少なくとも歯周病菌が
原因で全身の状態を悪化させることや健康寿命を
縮めてしまうことは防げます。
日々のブラッシングを丁寧にし、歯科医院で定期的な
メンテナンスを受け、自分の今のお口の状況・状態を
把握し、健康な生活を送れるようにしましょう!

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