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根面被覆について②
2024.02.15
根面被覆について②
こんにちは!ますだ歯科クリニックです。
今回も引き続き、根面被覆について
お話していきます。
どのように根面を覆うの?
露出した根面を覆う手法には、いくつか
パターンがあります。
①
隣の歯の歯茎から、歯茎の組織を切り開いて
移動させてきて根面に被せる方法。
隣の歯の歯茎が十分に厚い場合に限られます。
②
上顎の口蓋から組織を切り取って、根面に
持ってくる方法。
③
①と②の合わせ技の方法。
口蓋から切り取った組織を根面に持ってきて
切り開いた隣の歯茎でそれを覆います。
日本人は、遺伝的に生まれつき歯茎が薄い方が
多いので③のやり方がよく用いられます。
≪
根面被覆に用いる移植組織
≫
●
移植組織は口蓋から採ります
。
根面被覆の移植に使う組織は、一般的には
口蓋の粘膜から採取されます。
口蓋側の歯茎を切開し、内部の組織を
取り出します。
犬歯から第2大臼歯までの範囲から
採取するのが一般的ですが、例外的に
移植部位の付近に十分な厚みと大きさの
ある歯茎があれば、そこから採取すことも
あります。
●
採ったところは時間をかけて
再生していきます。
組織を採取した部分は、縫合されたあと
時間をかけて再生していきます。
たいていの場合は、3カ月~半年後には
また同じ場所から採取できるようになります。
≪
日本人は歯茎が薄い?
≫
歯茎の厚みや顎の骨(歯槽骨)の厚みは
人種によっても異なり、日本人など
アジア系人種は、顎の骨や歯茎が薄い傾向に
あります。
これは、移植組織を採取する口蓋も同じで
日本人の口蓋の粘膜は、一般的に欧米人より
薄いようです。
治療の流れと治療前後の注意点
1、
先生に相談
◎
歯茎や顎の骨が根面被覆をおこなうのに
適した状態かを診断してもらいます
。
・
歯茎が下がっている原因が歯周病の場合は
そちらの治療が優先されますし、歯周病が
進行して、歯を支える顎の骨が吸収され
全体的に歯茎が下がっている場合は
残念ながら根面被覆は適しません。
根面被覆は唇側、あるいは舌側の部分的な
根面の露出に適した手術です。
全体的に歯茎が下がってしまっている場合は
顎の骨(歯槽骨)の再生療法などが必要と
なります。
・
全身疾患のある方の場合は、歯科医師が
主治医と連絡をとり、治療が可能かどうかを
確認して進めさせていただきます。
◎
持病のお薬を伝えましょう!
・
血液サラサラのお薬(抗血栓薬)など
全身の病気のためのお薬を
服用している場合は
前もって伝えましょう!
複数のお薬を飲んでいる場合などは
お薬手帳を持って行くと便利です。
2、
治療当日
◎
当日は、体調を整えてから来院しましょう!
・
外科手術ですので、風邪を引いていたり
血圧が高い場合などは、手術を
延期することもありえます。
・
十分に睡眠をとって、万全の体調で
来院いたしましょう!
・
歯科から炎症を防ぐお薬や抗生剤を
処方されている場合は、忘れずに
飲みましょう。
—
治療開始
—
【
根面の清掃
】
細菌のかたまりであるプラークは、治療を
妨げますので根面からプラークをしっかり
除去します。
↓
【
麻酔
】
歯茎を切開する部位や移植組織を
採取する部位(主に口蓋)に局所麻酔を
します。
↓
【
歯茎の切開
】
根面のまわりの歯茎を切開します。
↓
【
移植組織の採取
】
口蓋の粘膜を切開して、移植する組織を
切り取ります。
↓
【
根面の被覆&縫合
】
切開した歯茎に移植組織を挿入して
縫合します。
◎
タバコは、しばらくお控えください。
・
タバコを吸うと血流が悪くなります。
血流が悪くなると免疫が落ち、再生能力が
低下します。
すると手術したところが
治りづらくなりますので治療の予後を
よくするためにも手術前後は、基本的に
タバコをお控えください。
◎
痛みや腫れは個人差があります。
・
術後、痛みが増すようでしたら治療を
受けた歯科医院で診てもらいましょう。
・
腫れ(炎症)や感染を抑えるためのお薬は
きちんと服用を続けましょう。
・
血行が良くなると出血しやすくなりますので
運動や飲酒は2~3日NGです。
お風呂もシャワーにしましょう。
◎
治療後の食事は?
・手術後、麻酔が抜けるまでは、食事は
避けましょう。
唇やお口の粘膜を噛んでしまうことが
あります。
・手術当日は熱いもの、冷たいもの、刺激の
強いものは避けましょう。
アルコール類も血行がよくなるので
NG
です。
・抜糸するまでの1~2週間は、治療を
したところでは噛まないようにしましょう。
◎
縫った場所は、歯ブラシはNGです。
・新しく歯茎で覆った場所は、糸で
縫合していますので抜糸するまでは
歯ブラシを当てないようにしましょう。
・強い勢いのブクブクうがいは避け、そっと
含んですすぐ程度にしましょう。
3、
1~2週間後
【
抜糸
】
傷がふさがったら、縫合した糸を抜きます。
4、
経過観察へ
定期受診をお忘れなくお願いいたします。
歯茎が下がってしまったときも、こうした
治療の選択肢があることを
知っていただければと思います。
歯の健康は、歯だけで成り立つものでは
ありません。
歯を支える歯茎や顎の骨も大切です。
定期受診は、歯周病をはじめとしたお口の
病気の早期発見にもつながります。
お口の健康を守るためにも定期的に歯科医院を
受診しましょう!
気になることがありましたら
お気軽にスタッフにご相談ください。
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