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メディカルノート

根面被覆について②

こんにちは!ますだ歯科クリニックです。
今回も引き続き、根面被覆について
お話していきます。

どのように根面を覆うの?

露出した根面を覆う手法には、いくつか
パターンがあります。
隣の歯の歯茎から、歯茎の組織を切り開いて
 移動させてきて根面に被せる方法。
隣の歯の歯茎が十分に厚い場合に限られます。
上顎の口蓋から組織を切り取って、根面に
 持ってくる方法。
①と②の合わせ技の方法。
口蓋から切り取った組織を根面に持ってきて
切り開いた隣の歯茎でそれを覆います。
日本人は、遺伝的に生まれつき歯茎が薄い方が
多いので③のやり方がよく用いられます。
根面被覆に用いる移植組織
移植組織は口蓋から採ります
根面被覆の移植に使う組織は、一般的には
口蓋の粘膜から採取されます。
口蓋側の歯茎を切開し、内部の組織を
取り出します。
犬歯から第2大臼歯までの範囲から
採取するのが一般的ですが、例外的に
移植部位の付近に十分な厚みと大きさの
ある歯茎があれば、そこから採取すことも
あります。
採ったところは時間をかけて
 再生していきます。
組織を採取した部分は、縫合されたあと
時間をかけて再生していきます。
たいていの場合は、3カ月~半年後には
また同じ場所から採取できるようになります。
日本人は歯茎が薄い?
歯茎の厚みや顎の骨(歯槽骨)の厚みは
人種によっても異なり、日本人など
アジア系人種は、顎の骨や歯茎が薄い傾向に
あります。
これは、移植組織を採取する口蓋も同じで
日本人の口蓋の粘膜は、一般的に欧米人より
薄いようです。

治療の流れと治療前後の注意点

1、先生に相談
歯茎や顎の骨が根面被覆をおこなうのに
 適した状態かを診断してもらいます
歯茎が下がっている原因が歯周病の場合は
 そちらの治療が優先されますし、歯周病が
 進行して、歯を支える顎の骨が吸収され
 全体的に歯茎が下がっている場合は
 残念ながら根面被覆は適しません。
 根面被覆は唇側、あるいは舌側の部分的な
 根面の露出に適した手術です。
 全体的に歯茎が下がってしまっている場合は
 顎の骨(歯槽骨)の再生療法などが必要と
 なります。
全身疾患のある方の場合は、歯科医師が
 主治医と連絡をとり、治療が可能かどうかを
 確認して進めさせていただきます。

持病のお薬を伝えましょう!
血液サラサラのお薬(抗血栓薬)など
 全身の病気のためのお薬を
 服用している場合は前もって伝えましょう!
 複数のお薬を飲んでいる場合などは
 お薬手帳を持って行くと便利です。
2、治療当日
当日は、体調を整えてから来院しましょう!
外科手術ですので、風邪を引いていたり
 血圧が高い場合などは、手術を
 延期することもありえます。
十分に睡眠をとって、万全の体調で
 来院いたしましょう!
歯科から炎症を防ぐお薬や抗生剤を
 処方されている場合は、忘れずに
 飲みましょう。
治療開始
根面の清掃
細菌のかたまりであるプラークは、治療を
妨げますので根面からプラークをしっかり
除去します。
   ↓
麻酔
歯茎を切開する部位や移植組織を
採取する部位(主に口蓋)に局所麻酔を
します。
   ↓
歯茎の切開
根面のまわりの歯茎を切開します。
   ↓
移植組織の採取
口蓋の粘膜を切開して、移植する組織を
切り取ります。
   ↓
根面の被覆&縫合
切開した歯茎に移植組織を挿入して
縫合します。
タバコは、しばらくお控えください。
タバコを吸うと血流が悪くなります。
 血流が悪くなると免疫が落ち、再生能力が
 低下します。
 すると手術したところが
 治りづらくなりますので治療の予後を
 よくするためにも手術前後は、基本的に
 タバコをお控えください。
痛みや腫れは個人差があります。
術後、痛みが増すようでしたら治療を
 受けた歯科医院で診てもらいましょう。
腫れ(炎症)や感染を抑えるためのお薬は
 きちんと服用を続けましょう。
血行が良くなると出血しやすくなりますので
 運動や飲酒は2~3日NGです。
 お風呂もシャワーにしましょう。
治療後の食事は?
・手術後、麻酔が抜けるまでは、食事は
 避けましょう。
 唇やお口の粘膜を噛んでしまうことが
 あります。
・手術当日は熱いもの、冷たいもの、刺激の
 強いものは避けましょう。
 アルコール類も血行がよくなるので
 NGです。
・抜糸するまでの1~2週間は、治療を
 したところでは噛まないようにしましょう。
縫った場所は、歯ブラシはNGです。
・新しく歯茎で覆った場所は、糸で
 縫合していますので抜糸するまでは
 歯ブラシを当てないようにしましょう。
・強い勢いのブクブクうがいは避け、そっと
 含んですすぐ程度にしましょう。
3、1~2週間後
抜糸
傷がふさがったら、縫合した糸を抜きます。

4、経過観察へ
定期受診をお忘れなくお願いいたします。
歯茎が下がってしまったときも、こうした
治療の選択肢があることを
知っていただければと思います。
歯の健康は、歯だけで成り立つものでは
ありません。
歯を支える歯茎や顎の骨も大切です。
定期受診は、歯周病をはじめとしたお口の
病気の早期発見にもつながります。
お口の健康を守るためにも定期的に歯科医院を
受診しましょう!
気になることがありましたら
お気軽にスタッフにご相談ください。
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